ピアノのスタッカート〈バランスボールの跳ね返りを利用する〉


スタッカートというのは「1音1音を切り離して短く」する奏法ですが、こどもたちのほとんどがまず四苦八苦します。


一生懸命に短くしようとアレコレしようとするのですが、、、力んで上手くいかない様子をよく見ます。

スタッカートを演奏するにはどう伝えると良いのか、、、

これまでにも色々考えていたのですが、海外でご活躍されているアレクサンダー・テクニークの先生のオンラインクラスに参加した時に体験したことがとても役立ちました。

その体験とは「洗面台に張った水に触れる」という体験。

張った水の表面に手で静かにゆっくり触れてみると、浮力によって弾力を感じます。

水中へゆっくり手を沈めようとすればするほど強く感じる弾力。跳ね返されるような感覚です。

水泳の時や、湯船に浸かる時など、水やお湯に触れる機会は日常にもあるのですが、気にとめていなかったために意識にも上らなかったこの水からの弾力が、なんとも面白い感触として記憶に残りました。

この体験が強く印象に残りながらのピアノのレッスンで、生徒さんがスタッカートがぎこちなく、音が不発になったり、長くなってしまったりしていました。

ふと思いついて「バランスボールの跳ね返りが役立つのではないかと思い、バランスボールに腕を振り下ろす動きをしてみてもらうことにしました。

バランスボールの跳ね返り

一旦ピアノから離れ、「バランスボールの跳ね返りを感じる」ことをしてもらいました。

ぼよ~ん

ばよ~ん

と、ただただバランスボールに手が当たったその勢いで跳ね返るだけ。

バランスボールからは元に戻ろうとするエネルギーが発動し、バネとなって手を跳ね返してきます。

この跳ね返りの感覚。

ピアノではここまでの弾力はないにしても、ピアノの鍵盤に向かって腕を振り下ろし、鍵盤の底に当たると、若干の跳ね返りのエネルギーがあります。

その勢いを受けとって手が鍵盤から離れると、音は短く切れています。

逆に鍵盤の底に当たった後にこの跳ね返りのエネルギーを腕で受け止めると、鍵盤に指が触れたままで鍵盤は下がったままになり、ピアノの弦は鳴り響いたままになりますね。

この生徒さんも、とても自然なスタッカートで演奏することができるようになりました。

これは単音でも和音でも効果的なようです。

スタッカートでなくてもピアノからの跳ね返りを感じながら演奏すると、鍵盤を押すように演奏していた人にとってはひと味違った弾き心地になり、指への負担度・疲労度は軽減されると思います。 私自身もピアノを弾く際にこの発見を活かしています。



↓書いているのはこの人↓

泉山 民衣

​Tae Izumiya

兵庫県在住、サクソフォン奏者・アレクサンダー・テクニーク教師。昭和音楽大学卒業。

顎関節症、腱鞘炎になったことから、自身の身体の使い方に原因があるのではと考え、2016年からアレクサンダー・テクニーク(自分の使い方。心身のメソッド)を学び、教師資格を取得。

身体について多く誤解していたことを知り、自身の意図で動きが変わり、痛みや不調、日常から演奏まで幅広いパフォーマンスが想像以上に改善することを身をもって体感しています。

↓小さくても優秀な相棒↓

ジョニー

​Johnny

体長:88センチ

体重:1.5キロ

等身大の1/2サイズのミニ骨格模型。

ジョニーは脊椎は動かせませんが、各関節が以下の様に可動できるので、骨格の形状や、各関節の動きの確認のために活躍中。

  • 下顎:上下に開閉

  • 肩関節:屈曲/伸展,内転/外転

  • 肘関節:屈曲/伸展

  • 前腕:回外/回内

  • 手:背屈/掌屈

  • 股:屈曲/伸展,内転/外転

  • 膝:屈曲/伸展

  • 足:背屈/底屈