呼吸のこと(横隔膜編)

(2021.4.29改訂) 管楽器や歌は、呼吸が直接的に演奏に関わるので、呼吸に関する悩みは尽きないと思います。


呼吸をからだの構造・動きのメカニズムから考えると、身体のさまざまな部分が協働しています。


わかりやすいのは以下のあたりでしょうか。


・肋骨

・横隔膜

・腹筋群

・骨盤底筋群


ですがこれだけに留まらず、頭と脊椎(軸、体幹)、腕、脚(股関節含む)と全身が呼吸に関わっています


アレクサンダー・テクニークは、自分がやりたいパフォーマンスを生み出すために自分全体が協調することを促すメソッドでもありますので、下記のようにあらゆる角度から呼吸に切り込んでいきます。


「立奏時の姿勢」

「座奏時の姿勢」

「楽器を構える時の腕の動き」

「楽器を操作するときの指の動き」

「息を吸うときの動き」

「息を吐くときの動き」

「息を吐く方向」  など


全身が整えば自ずと呼吸は機能しやすくなっていきます。



今回の記事では、まず「横隔膜」について書いていきます。




画像の青く示した部分が横隔膜です。


横隔膜は、肺や心臓を覆っている肋骨の一番下に付着しており、

肋骨部分の胸腔と、胃や腸などの内臓がある腹腔とを隔てている膜です。

肋骨の一本一本の骨は脊椎(中でも胸椎部分)と関節で連結しており、

横隔膜も左右異なる長さで脊椎(中でも腰椎部分)に付着していますので

脊椎が呼吸に関わるのも納得できるのではないでしょうか。


腰椎に付着する横隔膜の間には大動脈が通り、真ん中の穴2つは心臓から伸びる静脈と食道の穴です。


そんな横隔膜はドーム状になっています。


息を吸う時には横隔膜が少し前へ・下へ向くような形で動き、付着している肋骨を連れて広がることにより、肋骨で守られている肺に空気が入ります


そうすることで横隔膜より下にある内臓が押されて、結果お腹が膨らむようになるんですね。 (これが腹式呼吸と呼ばれる所以ではないでしょうか)



* 横隔膜の動きをイメージするエクササイズ*

アレクサンダー・テクニークのクラスに参加すると、さまざまな方法を先生が提案してくださいますが、その中の一つを紹介します。


①両手の指を軽く組んでドーム状に。

②その手を肋骨下部の前あたりに持ってきて、手の甲側を上にしてドームになるようにします。

③息を吸うとき、肘は外側に向かって広がるとドームの曲線は少し緩やかになりますが、同時に手の平は少し前へ向くようにしましょう。

この手の動きが「横隔膜の動き」のイメージです。

④息を吐くときには元の位置へ戻ります 。



これを何度か繰り返し、呼吸と横隔膜の関係を頭に入れ、

そのイメージを持ちながら演奏してみましょう。


「そうしよう!」としなくて大丈夫です。(やろうとすると過度な緊張を引き起こしてしまいます) あくまでも「そうなっているんだな」と頭の中で軽くイメージするだけで十分です。


泉山民衣



関連記事: 「響きをもたらす3つのポイント」(呼吸時の「頭と脊椎」の関連について少し載せています)

「呼吸のこと(肋骨は動ける編)

「呼吸のこと(骨盤底筋群)

「呼吸のこと(腹筋編)」

「呼吸のこと(息の方向編)」

「呼吸のこと(腕編)」

「呼吸のこと(脊椎編)」

呼吸が浅いと感じていたときに役立ったこと

鼻の空気の通り道

立つということ

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