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本番③〜演奏中の思考 至福のひとときが生まれた瞬間
本番の日。
この日のために練習を積み重ねてきました。
その本番までの道のりを、私の実体験を通して、3つのセクションに分けて書きました。
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今回の記事は、本番当日、本番までの長い道のりの最後の記事です。
舞台上、お客さんと共にいる空間での演奏が始まります。
演奏中、何を考えますか?

私は昔、演奏中の会場にいるお客さんの反応が気になって、
「つまらないと思ってるんじゃないか」
「下手って思われたくない」
その気持ちがある分、
「ここでヘマしたらどうしよう」
「(難しい箇所の前には)あ、やばい」
そんな雑念が入り混じり、
お客さんの顔を見ることができませんでした。
けれども、
《お客さんがどう思っているか》
それは、心を読めるわけでもないので、事実は絶対にわかりません。
気にしても仕方のないことなんですね。
「つまらないと思ってるんじゃないか」
「下手」
これはお客さんが思っていることではなくて、
自分が思っている、勝手に創り出した虚像*です。
そんな雑念が入っているときの演奏は、
真に音楽の流れに乗っているものではありません。
*日常に潜む《あの人にこう思われているかもしれない》
これも、自分が勝手に創り出した虚像。
そう思いながらの自分の相手への振る舞いは、どこかぎこちないもので、
現実の、事実の相手との関わりではなく、