演奏時や演奏後に痛みが出る理由

痛みは、身体から出てきたSOS



身体というのは、非常によくできていて、

頭で考えていることは何とかして「実現しようとする」ようにできています。





「眠い」と思ったときのことを例に考えてみます。


眠いと思ったその時、


寝て良い状況であれば、

横になるとか椅子の背もたれにもたれて目を瞑るなどの眠るための動きに入り、

寝ることを実現しようとするでしょう。


逆に寝てはいけない状況、例えば試験前や締め切り前で勉強・仕事をしなきゃいけないとか、授業中・会議中などの状況であれば、

どうにかして起きていようと身体のどこかをつねってみたり、ガムを噛んだり、目薬を刺したり、



寝ないようにあらゆる手段を尽くすでしょう。


さらに、今寝てしまうと後で困ったことになるかもしれない、とか、今無理してでもやっといた方が良いはずだ、

などの「寝ないでいたい」何かしらの理由があるため、

眠いという生理的な欲求よりも、理由の方に挙げた頭で考えた欲求を身体は叶えるために動きます。

(そうしながらも睡魔の方が勝った場合には、身体は休息を求めているのでいつの間にか寝ちゃってしまった経験はどなたにもあるのでは・・・)


どちらにしても、

頭で考えている欲求(寝る・寝ない)を実現するために、身体を動かしているものです。




無意識的であれ意識的であれ、です。




加えて、寝て良い状況と寝てはいけない状況で、身体にかかるストレス度を比較してみるとどうでしょう。


「眠い。だから寝る。」を選択できた時は、眠い欲求通りに動けてストレス度も少ないでしょうが、

「眠い。だけど寝ない。」を選択した方は、眠い欲求に抗うためストレス度は高くなります。




これが、演奏などの高度な動きのコントロールが 曲が続く限り継続して必要な場合。


頭で考えていること(例えば、曲を演奏し続けたいという欲求)に、

「何としてでも音を鳴らしたい」という欲求も含まれていたなら、

「本来の解剖学的な身体のしくみにそぐわない動きでも厭わない」が無意識のうちに発動し、身体にかかるストレス度はとても高まります。

身体は「なんとしてでも演奏したい」という要求に無理をしてでも実現させようとするため、最終的にしんどさや痛みとして身体に疲労が表れるのだと考えられます。


そうするつもりでなかったとしても、自分自身で、痛みが出るように導いていて、


痛みは、身体からのSOSなのです。


そして、


痛みは、動きを整理せよという身体からのメッセージでもあります。




やりたい・実現させたい欲求のために、

本来の身体の動きのしくみ(解剖学的な事実)を知って

やりたいことに必要な動きは何かを整理し、

最終的に起きてほしいことが生まれやすい条件に整えてあげると、

楽に、自分がやりたいように演奏できる可能性が高まり、

その副産物として、痛みがなくなることが期待できます。




サクソフォン/アレクサンダー・テクニーク教師

泉山民衣

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