アレクサンダー・テクニークの原理


アレクサンダー・テクニークは私のレッスンと、自身の演奏の礎となっています。


アレクサンダー・テクニークとは

F.M.アレクサンダーという舞台俳優が、公演の最中に声枯れするようになったことから、

自身が声を出すときに何をしているか」注意深く観察し、「どうすれをばより良いパフォーマンスができるようになるのか」を​探究する中で発見していった『身体の使い方』に関する心身のメソッドです。


日本ではまだまだ認知度が低いのですが、少しずつ日本の芸術系大学でも取り入れられるようになってきていて、プロの演奏家、歌手や俳優、ヨガやダンサー、スポーツなど、さまざまなジャンルで取り入れられています。

海外では既にジュリアード音楽院やワシントン大学など、芸術系大学や有名大学でもプログラムの一つとして認知されており、国によっては医療行為の一つとして保険が適用されているところもあるほどです。



アレクサンダー氏が発見したことの中には以下のものがあります。


・望ましくない結果を引き起こす誤った身体の使い方


・その使い方が無意識の中で習慣化し自動的に起きてしまうこと


・頭の動きが体全体のパフォーマンスに大きく影響すること


・身体の機能が向上する、より良い身体の使い方があること(身体構造に沿った動かし方)


・考えていることが動きに、動きが考えに、必ず表れること(考えと動きは表裏一体)


・自動的に起きる望ましくない身体の使い方を防止して、より良い・新しい身体の使い方を実行するための建設的なステップの踏み方

誤った身体の使い方を見直し、もともとの身体のデザインに沿った身体の使い方をすることで、演奏もスポーツも日常動作もあらゆる動きがスムーズになり、疲労度も大幅に軽減し、機能も回復することから「動きの再教育のメソッド」と言えます。



演奏にアレクサンダー・テクニークを取り入れることで得られるもの

私自身が演奏にアレクサンダー・テクニークを取り入れるようになったことでの恩恵は、特に以下の4つがあります。


・うまくいきづらかったこと(音色、タンギングや発音・強弱などの演奏表現スキル、本番での緊張など)の改善


・頭痛・肩こり・腰痛などの日常的な痛みや、腱鞘炎や顎関節症といった誤った身体の使い方によって引き起こされた痛みの軽減・改善


・自分でどのように取り組んでいけば良いのか、改善への道筋が明確になってきたこと


・自分自身に対する、そしてレッスンでの生徒さんに対する観察・分析力の向上



昔は、姿勢や身体の動きに特段機にすることなく、「できないのは練習時間が足りないからだ」「痛みが出るのは仕方がないのだ」という想いでただひたすら・がむしゃらにやっていましたが、アレクサンダー・テクニークを知るとそんなやり方よりももっと良い別のやり方があることを知り、昔よりも演奏もレッスンも楽しくなりました。



アレクサンダー・テクニークの原理のひとつ「頭の動き」

F.M.アレクサンダー氏が発見したことの一つに「頭の動きが自分全体の動き・機能に影響する」というものがあります。


これがどういうことなのか、動きの違いを実験して比較してみましょう。

*立っていても、座っていても良いです。


①普段やっている通り、腕を上げてバンザイする

この時の、腕の動き、更に胴体や脚の動き、呼吸、視界などを覚えていてください。


②首を少し縮めて、頭の位置を下に押し下げた状態で、腕を上げてバンザイする

この時の、腕の動き、更に胴体や脚の動き、呼吸、視界などはどうなりましたか?


③縮めていた首を元に戻し、そこから更に頭の位置を天井の近くに移動させて、腕を上げてバンザイする

この時の、腕の動き、更に胴体や脚の動き、呼吸、視界などはどうなりましたか?



①、②、③、それぞれの動きにどんな違いがあったでしょうか。


どんな動きにしろ、「頭をどのようにするか」で全身の動きに何かしらの違いが出てきますが、②の場合は動きづらさ・窮屈さがあり、逆に③の場合は全身が動きやすくなる性質があるようです。


②の状態は、意図せず、無意識に半自動的に陥っていることがありますので、

どのような状況下においても、全身が動きやすくなるコーディネーションを誘発する③を意図的に設定し、やりたい演奏を確実に実現させていくのがアレクサンダー・テクニークレッスンの特徴です。


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