トラウマによる演奏への影響
トラウマというのは、その時に受けた何らかのショックや恐怖によって、その後にも精神的外傷となって影響を及ぼし続けます。
トラウマとなってしまうか・そうでないかは、
その時受けたショックをどう自分が捉えるかで変わってきますが、
ショックを受けたその時は、そのショックから何とか抜け出すための努力をして、
時間が経てば風化していくかと思います。
でも、そのトラウマは表面上はなかったかのように見えたとしても、
消え去ることができない事実であり、
何かのきっかけで思い出されることもしばしば。
もしくは、頭では消え去っていても体が覚えているということもあるものですね。
私にとって、頭では消え去っていた見えないトラウマに影響されて
演奏に妙な強張りが生まれてしまっていたことについ最近気づかされました。
そのトラウマとは、演奏に対するある人の言葉や態度。
先生や、先輩、友人、後輩、知り合い・・・などなど。
アレクサンダー・テクニークのレッスンの中で
「指さし確認をして、この場にその人がいるか確認してから演奏してみて」
と言われ、
それを実行した後に演奏してみると、
『あれ?何だか軽く演奏できるかも?』
自分の演奏(もしくは自分自身)に対してあまり良くない意見を聞いた時、
自分の身を守るためにガードするようにグググっと体の強張りが知らず知らずのうちに生み出されていたのだろうと思います。
そうして乗り越えて、頭でその思い出を消し去っていても、
やはりそういうものは見えないトゲとして体には刺さったままになっていて、
いざ演奏しようとした時、思いがけずその人の存在が頭の片隅に出現し、
その幻影に体が反応して演奏に強張りが出ていたのでした。
それに気づいた時、
「えっ。私ってそんなに影響受けながら演奏してたの?」
と思うほど。
体は正直とはよく言ったものですね。
演奏=トラウマのトゲが刺さった状態でそのトゲに抗いながら音に挑む
こんな風に私の演奏はリンクされてしまっていました。

じゃあどうすれば良いのか。
アレクサンダー教師の安納献さんからの教えが本当に身にしみたので、
下記の3つは大事にしていきたいものです。
①演奏するその場が安心・安全な場であること