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アンサンブルで自分はどう「貢献」するか


吹奏楽をしている生徒さんとのレッスン。

その中で、

「演奏する曲で自分のパートはメロディーじゃないので、メロディーを支えるつもりで、そうしながらその曲をこんな風に演奏するというのを他のパートにも示したい」

という願いが聞こえて来ました。




そこでまず、「メロディーを支える」という言葉を拾い、レッスンを進めました。

この考えはよく分かります。

ベースを受け持つ人も同じように考えると思います。

それは、以下のことが根底に考えられるからだと思います。

①メロディーがトップで

その下にハモリパート

それらの縁の下の力持ち的位置にベース

という構図です。

役割がはっきりしているように思えますが、同じ曲を演奏する立場として同等であるはずなのにそれぞれを上下関係で位置づけしてしまってるように感じました。


そこで、思いついたのがこれ。

(iPadで書いたので少し不恰好ですがイメージとして参考に)

メロディーはコーヒー

言わずもがな大事な要素であることに変わりありません。

そこにハチミツ(ハモリ・ハーモニー)が入ることで、風味や華やかさがプラスになる。

さらにミルク(ベース)が入ると、包み込んでまろやかになる。

メロディーには華があるけれども、それだけでは味気なく物足りず、

ハモリ・ハーモニーがあるからよりメロディーの性格にカラーがつき、

ベースが入ることでさらに深み・厚みが出る。

そこに打楽器が入れば芯が出てより豪華になります

それがアンサンブルになるんじゃないかと思ったわけです。


ようは、何かが何かを支えるというものではなく、それぞれが同等にかけがえのない大事な要素だということです。


そんなアンサンブルがステージ上で指揮者のもとに作られ、

それがお客さんへと届けられるんですよね。

ということで、

その子はハチミツの役割。

メロディーを華やかにするのです


これをより具体化できたらと思い、その生徒さんの車好きを利用して、

車のボディを洗車して華やかさをプラスする」というつもりで演奏してみてもらうと、

音に明確さが出て、澄んだ穏やかな音色になりました。


 

でも、まだ何かが邪魔をしている。

そこで、始めの言葉の

そうしながらその曲をこんな風に演奏するというのを他のパートにも示したい

を見ていくことにしました。

その前にもいろんな話を聞いている中で、

その生徒さんは他のメンバーから「期待している」という言葉を受け、

自分が引っ張っていかなければという責任感・使命感を背負っていることがわかっていました。


その話をしている間中ずっと、嬉しそうではなく苦しそうだったのです。

私:「それは本当にやりたいことなの?」と聞くと、

生徒さん:「そうしないと・・・」と言う。

続けて話をしている中で、

生徒さん:「・・・こう言う曲(レッスンで見ていた曲とはまた違う曲)を演奏したいんです。・・・だからこの曲(レッスンで見ている曲)で引っ張って・・・」

と言うところで、

私:「演奏がしたいんでしょう?それも楽しく演奏したいんでしょう?だからどんなことがあっても楽器を続けてるんでしょう?」

生徒さん:「そうです。」

私:「そこに『この曲の中で自分の演奏で引っ張っていく』って言うのは必要?使命感の方じゃなくてやりたいことをやれば良いんじゃない?」

生徒さん:「あれ・・・そうか。」


使命感としてのやりたいこと(引っ張っていきたい)と、本当にやりたいこと(楽しく演奏したい)は、同じ「やりたい」でも質の違うもの。


大事なのは【本当にやりたいことをする】


これがわかったところで、その生徒さんはかなり晴れやかな顔になりました^^

このレッスン後、合奏を終えて感想を送ってくれました^^

「この間のレッスンを練習中に復習してたら、なんと……合奏でトランペット約6人の音をかき消すほど響いてたようで、・・・たった2週間のレッスンで些細なことであってもこんなに変わるんだと感動しながらも、自分で吹いてて音楽をすることに対して、すごく幸せを感じながら合奏できました!✨

気持ちひとつ見つめ直すことで、響きはもちろん、音色まで変わるとは思いませんでした✨」

お役に立てたようで嬉しい限りです^^

↓書いているのはこの人↓

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泉山 民衣

​Tae Izumiya

兵庫県在住、B型末っ子自由人。

サクソフォン奏者・アレクサンダー・テクニーク教師。昭和音楽大学卒業。

顎関節症、腱鞘炎になったことから、自身の身体の使い方に原因があるのではと考え、2016年からアレクサンダー・テクニーク(自分の使い方。心身のメソッド)を学び、教師資格を取得。

身体について多く誤解していたことを知り、自身の意図で動きが変わり、痛みや不調、日常から演奏まで幅広いパフォーマンスが想像以上に改善することを身をもって体感しています。
​最近はクラリネットとトランペットに挑戦中。

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