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悔しさの使い方

人は『人』に救われる。


なんだかそんな言葉が湧いてきた、ある日のレッスン。


この『人』っていうのは、自分じゃない人でもあるし、自分自身でもあるなぁと思います。



 
悔しくて悔しくて・・・

ピアノを習いにきている小学生のレッスンの中で、その子から涙が止めどなく出てきてしまう場面がありました。


悔し涙なんだろうな…と思いつつ、 その子の『言葉』に耳を傾けようと思い、以下のようにお話していきました。



わたし「泣きたいなら、思う存分いーっぱい泣いちゃったらいいよ。声も我慢せずに出しちゃっていいよ。今はそれを一生懸命したらいいよ。」


時間をおいて、少し落ち着いてから、


わたし「何で泣いてるのかな?何が悲しい?」


その子の言葉を待ちました。


すると『弾けなくて…』と返ってきました。


わたし「弾けなくて泣いてるんやね。 じゃあ弾けない時、どんなこと考えてるのかな?」


と聞いてみると、『上手に弾きたい…』と。


わたし「上手に弾きたいんやんねぇ。でも上手くいかない。 じゃあそんな時、自分に何て声をかけてみてるのかな?」


傍で寄り添って、よーく考えているその子を見守っていると、

『なんで弾けへんのかなぁて思ってる』との返答。

その言葉を言う声や表情からは、少し、自分を責めるような印象がありました。


わたし「そうかぁ。そう思って、じゃあ何したら弾けるんかなぁ?て自分に言ってみたらどうかなぁ?」


『…もっといっぱい練習しないとダメって思ってる』と。


わたし「そっかそっか。じゃあ、何の音から何の音に、どの指でいくか、って考えたことはある?」


『ない』


「じゃあ確認してみようか!」

と、少しずつ、その子のペースを見ながら促してみました。



そうお話をしてる間に少しずつ涙は止まり、前向きになっていく様子が見られて、


わたし「よし、じゃあ今自分で確認したのをやってみよう!」 と、さっきできなかったところを弾いてみてもらうと、


1回目はつまずきながらも、その子自身が『あ、こうだった』と修正し、

3回目には見事できて、すぐさますごく嬉しそうな顔を向けてくれました!!


2人で笑顔でハイタッチ!!٩( ᐛ )و


わたし「お家でも、今やったように考えて確認しながらやってみてね。」

と伝え、


『うん!』 と満足そうに、笑顔で帰ってくれました。



私はその子の笑顔に救われたし、 その子もその子で、泣いて、考えて、そしたらできることが分かって、自分を救えたんじゃないかな、と思います。



泣くことはエネルギーの放出

『泣く』というのは、自分の中で処理しきれなかったものを涙として出そうとしているんじゃないかなぁと思います。


それを止めるのは、我慢することになって、 せっかく解き放とうとしているエネルギーが消化不良になってしまうんだと思うのです。


まずは〈泣く時間を取ることを自分に許す〉こと。

我慢して表出することを自分の中に留めてしまうのではなく、

今出ている感情にしっかりと向き合い、

それから、次のステップにいくことの方が、

前向きな気持ちで物事に取り組みやすくなるのだと思います。


最後には満面の笑みが見られて、本当に良かったです^^




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泉山 民衣

​Tae Izumiya

兵庫県在住、B型末っ子自由人。

サクソフォン奏者・アレクサンダー・テクニーク教師。昭和音楽大学卒業。

顎関節症、腱鞘炎になったことから、自身の身体の使い方に原因があるのではと考え、2016年からアレクサンダー・テクニーク(自分の使い方。心身のメソッド)を学び、教師資格を取得。

身体について多く誤解していたことを知り、自身の意図で動きが変わり、痛みや不調、日常から演奏まで幅広いパフォーマンスが想像以上に改善することを身をもって体感しています。
​最近はクラリネットとトランペットに挑戦中。

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