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アンサンブルの中で『目立つ』


ある吹奏楽部顧問の先生から、


「みんなの中で、ある子が音程も音質もすごく目立つんです💦」


というメール相談がありました。




吹奏楽やコーラスなどのアンサンブルは、


自分1人だけではなくて‘’誰か”と一緒に演奏していくものですね。


そんな中で、

目立っている子がいると、

(もしくは、自分がみんなの中で「合わない」と感じる時)


どうにかして目立たないようにしなければ!


と思うことが多いかもしれません。


ただ、「目立たないようにする」というのはなかなか難しいもので

(脳は否定語を理解できません。『…それって何をすればいいの…?』という状態になる。)、

だったら『音を出さずに、休む/演奏してる風を装う』を選択する方がむしろ清々しい。笑



でもせっかくアンサンブルできるのに、それでは面白くも楽しくもありませんね。



ここでは、

[目立つ=直すべきもの]と考えるのは一旦横に置いて、

他の視点からアンサンブルについて考えていきたいと思います。



①「目立つ」は直すべきことなのか?

そもそも「目立つというのは何なんだろう?」と思ったので調べてみると、


目立つ・・・他と異なっているために、人の注意を引く。際立って見える


だそうです。



「異なる」というのは日本人の中ではネガティブに捉えられがちですが、

違う捉え方をしてみると、『他の子たちより秀でているからこそ際立っている』とも考えられませんか?



例えば、

目立つのは、他の子たちよりも『何にもとらわれない自由度がある』とも考えられるわけです。


目立つのが「悪いこと」ではなく、その子の個性として受け取った上で、

『アンサンブルをしていくために、肯定的に考えるとどうしたらいいのか』を考えていく方が建設的ではないかと思います。



②ほかの子たちはどうか?

逆に、ほかの子たちが「目立たないように」してはいないか?という疑問が出てきました。


  • 人の注目を浴びたくない

  • みんなの後ろに隠れたい


このような内気な面があると、

一見まとまっているようで、「音を出すことに消極的」であるが故に「ある一人が目立つ」を生んでいることもあり得るのではと思いました。


こうしてみると、目立つのが一人の責任ではないかもしれないですね。



③人と人とを繋ぐアンサンブル

アンサンブルでは以下のことが大切なことだろうと思っています。


  • 『みんなで同じ音楽を共有し、創造していく』

  • 『調和』


調和・・・ものごとの間に釣り合いがとれていること。ものごととものごとが互いに和合(まじりあうこと)していること



アンサンブルの場合、

『人(音)と人(音)とが互いに和合(まじりあうこと)していること』と言えそうですね。



では、この『調和』、

どうすればいいのか?どういうものが調和の取れた音楽なのか?



これは

一人ひとりの経験や感覚頼みだったりしますね。



『調和のために、どうなることが必要なのか』


が、そもそもわかっていない状態だと、

目指すゴールが分からず、右往左往して、辟易してしまうので、

ちょっとしたゲームを提案してみました。



楽器を使わず、

ただ人と人との繋がりや、関係性、動きの伝搬などを含めた、私の創作ゲームです。





後日、顧問の先生から感想をいただきました。


『今日、調和ゲームやってみました❗️

そのあと、音の出だしのタイミングがピッタリになってました✨

また取り入れてみます❤️ありがとうございます😌』



…実際にその場に立ち会いたかった…!!



これは推測ですが、

ゲームで、周りの人や音へのアンテナの感度が増したために功を奏したのだと思います。


何度も繰り返して音を出すばかりではなくて、『動きによる刺激』がアンサンブルに影響を及ぼすことは大いにあるのです。



【みんなで協力し合って変わる】

音程や音色は一朝一夕で手に入れられるものではないのですが、

このような体験が『自分と周りとの関係性を察知する(=調和)』への関心を高め、

一人ひとりが、自身の音程や音色を磨くきっかけになれば、

自ずと、まとまりのある音楽になっていくと思います。


変わりたい、何とかしたい、こうしたい

と思うからこそ、高みを目指して練習していけるので。



また、


誰か1人が変わる


よりも、


みんなで協力し合って変わる


の方が音楽をより豊かにすると信じています。



#アンサンブル



↓書いているのはこの人↓

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泉山 民衣

​Tae Izumiya

兵庫県在住、B型末っ子自由人。

サクソフォン奏者・アレクサンダー・テクニーク教師。昭和音楽大学卒業。

顎関節症、腱鞘炎になったことから、自身の身体の使い方に原因があるのではと考え、2016年からアレクサンダー・テクニーク(自分の使い方。心身のメソッド)を学び、教師資格を取得。

身体について多く誤解していたことを知り、自身の意図で動きが変わり、痛みや不調、日常から演奏まで幅広いパフォーマンスが想像以上に改善することを身をもって体感しています。
​最近はクラリネットとトランペットに挑戦中。

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